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デンくんとコニーちゃんのアメリカ視察記

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(前編)デンくんとコニーちゃんのアメリカ視察記

コニーちゃん:
私たちは2025年11月16日~11月23日まで、アメリカのノースダコタ州ビスマーク、イリノイ州シカゴ、ワシントンDCを巡り、バイオエタノール生産の関係者に会って、農場、工場、企業などを視察してきたよ。

デンくんとコニーちゃんが巡ったアメリカのノースダコタ州ビスマーク、イリノイ州シカゴ、ワシントンDC

とっても広い!ノースダコタ州の農場

デンくん:
トウモロコシやバイオエタノール、SAF(持続可能な航空燃料)に関する色んなお話が聞けて、とっても勉強になったよね!最初はどこに行ったんだっけ?

コニーちゃん:
最初に向かったのはノースダコタ州の「ダイレクトアグ農場」だよ!ノースダコタ州はアメリカ中西部にある「コーンベルト」、つまりアイオワ州やイリノイ州などと同じ、トウモロコシ栽培が盛んな穀倉地帯の一つなんだよ。

ノースダコタ州の農場の光景

デンくん:
そうだったね!ここが農場!サイロも大きいし、畑もとても広くて印象的だったよ。

ノースダコタ州の農場の広い畑

コニーちゃん:
そうだね! この畑は4,000エーカー(約16平方キロメートル)もあるんだって! とても広いように思うけど、ノースダコタのこの辺りの農場では一般的な広さみたいだよ。

ここの農家さんは、土壌や環境に配慮した『再生農業』に力を入れているんだ。合成肥料を使わずに、家畜の糞尿を利用したり、カバークロップ(被覆作物)という冬の間の土壌を守る植物を栽培したりして作物を育てているんだよ。 そうしてできたトウモロコシが、バイオエタノールやSAFの原料に使われているの。

大事なのは、燃料を使うときに出るCO₂だけじゃなくて、原料を生産する段階からの排出量も考える『ライフサイクルアセスメント(LCA)』という考え方なんだ。再生農業で作られた原料なら、炭素強度(CI)が低い、つまり温室効果ガスの排出が少ない『低CI』なバイオエタノールになるから、本当に環境に優しい燃料と言えるんだよ。アメリカでは今、こうした低CIエネルギーを作る取り組みが盛んになりつつあるんだ!

デンくん:
そうなんだね!もちろん、農家さんによって取り組み方が違うのかもしれないけど、アメリカでこうした低CIエネルギーを作る取り組みが盛んなのは、現場を見るとより実感が湧いてくるよ!

ノースダコタ州の農場で収穫されたデントコーンの粒

コニーちゃん:
ここの農場で収穫されたデントコーンの粒も見せてもらえたよ!

視察に行ったのが真冬だったから、収穫直後のキレイな粒じゃなくて、畑に残っていた落穂のようなものだったんだけどね。でも、まさにこのデントコーンが私たちのモデルなんだって思うと、畑で実物を見れてとても嬉しかったよ!

今回は冬景色だったからトウモロコシはなかったけど、次は緑が一面に広がる夏の畑も、みんなに見てもらいたいな!

デンくん:
本当にそうだね!アメリカの農場はスケールがとっても大きいことがよくわかったよ!

次はどこに行ったんだっけ?


再生可能燃料の開発企業へ

再生可能燃料の開発企業Gevo(ジーヴォ)。Gevoはコロラド州に本社を置く、バイオ燃料の生産会社です。

コニーちゃん:
次に向かったのは、再生可能燃料の開発企業だよ。ここでは、工場で低炭素バイオエタノールやSAFを作っていたり、作物の生産者とバイヤーとを繋ぐソフトウェアを提供していたりと、再生可能燃料に関わる幅広い事業を手掛けているんだよ!

デンくん:
バイオ燃料に関する総合的な企業なんだね。工場を案内してもらったりして、すごく刺激的だったよね。

コニーちゃん:
そうだね。工場に入る前に、CCSに関する説明をしてもらったのを覚えてる?

Gevoの工場案内の様子

CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)というのは、二酸化炭素の回収・貯蔵をする技術のことだよ。工場などから出るガスからCO₂を分離し、地中深くに安全に埋めることができるんだよ。特に昨今、このCCSは地球温暖化対策として、非常に注目されているんだ。

デンくん:
地中にCO₂を埋めることができるの!?それはすごい技術だね。

ccsの仕組みの資料

参考:https://gevo.com/product/carbon-dioxide-removal/

コニーちゃん:
そうだね。CCSを行うには、設備の用意に加え、それに適した地質が必要なんだけど、それを満たすことができれば、安全にCO₂を貯蔵することができるんだよ。もちろん、埋めた後は各州が定める監視期間中、モニタリングをして問題がないかを見続ける必要があるんだ。

デンくん:
脱炭素化の技術はもうそんなところまで進んでいるんだね!

コニーちゃん:
CCSの説明を受けた後は、ヘルメットと安全ゴーグルをつけて、バイオエタノール工場を案内してもらったよ!

バイオエタノール工場の光景
バイオエタノール工場の様子

デンくん:
ものすごく広い工場だったよね!しかも工場に近づくと、トウモロコシが発酵するときの甘い匂いがしてきたのが、印象的だったよ。

コニーちゃん:
トウモロコシから作るバイオエタノールは、『粉砕→糖化→発酵→蒸留→脱水』という5つの工程を経て作られるんだ! まさにこの工場ではそのすべてを行っているんだね。

(詳しくは以下の記事を見てね)
https://grainsjp.org/us-bioethanol/article/production/

その過程でトウモロコシを加熱したり、発酵させたりするから、甘い匂いがするんだよ。もちろん、その時に『DDGS(家畜飼料)』という優秀な併産物(へいさんぶつ)も一緒に作られているよ!

デンくん:
なるほどね!こんなに大規模な設備でバイオエタノールは作られているんだね。肌で感じることができて、とても勉強になったよ!

コニーちゃん:
工場見学の後は、提供しているソフトウェアの紹介をしてもらったよ!

デンくん:
原料のトウモロコシを供給してくれるそれぞれの農家が、どれくらいの低CIの作物を作っているのかをトラッキングして、その情報を見てバイヤーが買う、なんてこともできると言っていたね!低CIエネルギーを追求するアメリカの農業技術はここまで進んでいるんだ!


アメリカのデントコーン栽培状況

デンくん:
ノースダコタでは、他にどんなお話を聞いたんだっけ?

コニーちゃん:
次にアメリカ穀物バイオプロダクツ協会のマーク・インゲブレトソンさんから、アメリカのトウモロコシやバイオ燃料の最新情報に関するレクチャーを受けたよ。

ノースダコタ州立銀行にいるデンくんとコニーちゃん

コニーちゃん:
私たちがこれまでに発信してきた通り、アメリカのトウモロコシ生産は栽培面積を広げることなく、単位あたりの収穫量が増加し続けているんだ。その上で、トウモロコシ生産に関する土地、水、エネルギーの使用量は1980年から2020年の40年間で約40~45%削減されていて、温室効果ガスの排出量も50%削減されたというデータもあるんだよ。

アメリカのトウモロコシは昔より少ない土地・水・エネルギーで、たくさん作れてCO₂も少ないことがわかる資料

デンくん:
アメリカのトウモロコシ生産は環境に対する影響も含めて、効率が良くなってきているんだね!

コニーちゃん:
そうだね。そしてトウモロコシの生産量が上がれば、DDGS(家畜飼料)の生産量も上がるんだよ。燃料を作ることで生まれるこのDDGSは、世界のタンパク源も支えているんだ。

インゲブレトソンさんによれば、世界の食料供給で足りない栄養素は「タンパク質」なんだって。
だから、食料供給のシステムとしても非常に重要だし、トウモロコシは本当に大活躍しているんだよ!

デンプンを燃料に、栄養分を飼料に、トウモロコシの中身は、役割ごとに使い分けているということ

デンくん:
トウモロコシの活躍は目覚ましいね!バイオ燃料だけではなく、食料供給にも貢献しているんだ!

コニーちゃん:
そしてあとは、SAF(持続可能な航空燃料)の最新情報だね! 『CORSIA』という国際航空のためのCO₂削減制度があるんだけど、2025年6月の更新で、アメリカ産トウモロコシを原料とするジェット燃料(Corn Ethanol-to-Jet)が、世界の持続可能性基準を満たすことが確認されたんだ。

これはとても大きなことで、特にさっき説明したCCS(二酸化炭素の回収・貯蔵技術)を組み合わせることで、CI値(炭素強度)が大幅に低下するんだよ。 そのおかげで、ブラジル産サトウキビ由来のバイオエタノールと比較しても、十分に競争力のある低炭素燃料になっているんだ。

デンくん:
すごいね!新しい技術と組み合わせることで、生産量が増え続けるトウモロコシの強みが、さらに強化されるんだ!

コニーちゃん:
本当にそうだね。あとは、エネルギーなどのマーケット情報を提供する企業より、最新の世界のSAFマーケットについて説明をしてもらい、私たちはノースダコタ州から、イリノイ州シカゴに向かったよ!

デンくん:
どれも密度の濃い体験だったね!シカゴやワシントンDCのことを振り返るのが今から楽しみだよ!

コニーちゃん:
そうだね!視察記後編もお楽しみにね。