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デンくんとコニーちゃんのアメリカ視察記

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(後編)デンくんとコニーちゃんのアメリカ視察記

コニーちゃん:
ノースダコタ州に行った後、私たちはイリノイ州シカゴ、ワシントンDCへ向かったよ!

デンくん:
まずはイリノイ州のトウモロコシ委員会に行ったんだよね。

トウモロコシ栽培、エタノール生産が盛んなイリノイ州

コニーちゃん:
イリノイ州トウモロコシ委員会では、イリノイ州におけるトウモロコシ栽培の現状を教えてもらったよ!

イリノイ州はノースダコタ州と同じく、トウモロコシ栽培が盛んな地域「コーンベルト」の一つだよ。
イリノイ州の特徴は、アメリカの中でも特に肥沃な土壌を持ち、トウモロコシの単位面積あたりの収穫量は一貫して、アメリカの平均を上回っているんだ。また、前編でも伝えたように、アメリカのトウモロコシは作付面積を増やさずに、生産量を増やすことに成功していて、それはここでも強調されていたよ!

参考:イリノイ州トウモロコシ委員会資料より

デンくん:
単位面積あたりの収穫量を増やしつつ、作付面積が増えていないのは本当にすごいことだよね。

コニーちゃん:
それだけじゃないよ!低CI(CO₂排出量が少ないこと)なエネルギーを作るために、エタノールの生産工程や、畑での温室効果ガス削減にも積極的に取り組んでいるんだ。

例えば原料のトウモロコシ栽培では、「不耕起栽培(畑を耕さない)」や「カバークロップ(被覆作物、冬の間に植物を成育させる)」といった、土壌中に蓄えられた炭素を空中に逃がさない持続可能な農法を採用する農家さんが増えているの。 それに、自動操舵システムを備えた大型トラクターなどのハイテク機械が原料のトウモロコシ栽培に導入されている。さらにエタノール生産でできるCO₂を地中に送って閉じ込める「CCS」という最新技術も組み合わせて、地球に優しい燃料を作っているんだよ。

その結果、イリノイ州のエタノールプラント周辺エリアのトウモロコシ栽培では、CIスコアが全米平均より18%も低いというデータも出ているんだ!

参考:イリノイ州トウモロコシ委員会資料より

デンくん:
すごいね!持続可能な農業に取り組むことで、脱炭素化の結果も出てきているんだ!

コニーちゃん:
トウモロコシ委員会で話を聞いた後は、バイオエタノールを生産している企業に訪問し、工場見学をさせてもらったよ!

デンくん:
ここの工場もとっても大きかったよね。工場に行く前に、DDGSや生成されたバイオエタノールも見せてもらったよ!


イリノイ大学シカゴ校へ

デンくん:
イリノイ州では、大学にも行ったよね!

コニーちゃん:
そうだね、私たちはイリノイ大学シカゴ校に向かい、イリノイ大学シカゴ校エネルギー資源センターの主任エコノミストであるシュテフェン・ミューラー博士に、最新のバイオエタノールやSAFに関する情報を教えてもらったよ。

デンくん:
たくさん、専門的な内容を教えてもらったよね。どんな内容だったんだっけ?

コニーちゃん:
すごく幅広い内容を教えてもらったよ!いくつかトピックをあげるね。

まず、アメリカのトウモロコシは年々生産量が増加してきていて、2025年には過去最高の生産量が予測されているんだ!特に昨今問題になっている、気候変動に強い品種として背の低いショートコーンを導入することで、風害の作物被害が減少し、結果的に生産量と温室効果ガスの削減に繋がっているんだって!

参考:イリノイ大学シカゴ校エネルギー資源センター資料より

デンくん:
たしかに、アメリカのトウモロコシっていうと背の高いものを想像するけど、背の低い品種ができることによって、生産効率を高めることができるんだね!

コニーちゃん:
あとは、優秀な家畜飼料である「DDGS」の話も面白かったよ。実はこれ、すごく価値が高くて、時には原料のトウモロコシよりも高値で取引されることがあるんだって!今まで話を聞いてきた通り、良質なたんぱく源として積極的に活用されているんだね。

参考:イリノイ大学シカゴ校エネルギー資源センター資料より

デンくん:
トウモロコシから生まれた併産物が、元のトウモロコシより高くなることがあるなんて驚きだね・・・! それだけDDGSが、飼料として重宝されているってことなんだ。他にはどんな話があったんだっけ?

コニーちゃん:
あとは、SAF(持続可能な航空燃料)についても話があったね。 現在は廃食油や動物性脂肪を原料とする方法が主流なんだけど、トウモロコシエタノールからSAFを作る「アルコール・トゥ・ジェット(ATJ)」という技術も注目されているんだ。CCSや再生可能エネルギーといった適切な技術を組み合わせることで、石油由来のジェット燃料に比べて温室効果ガスを大幅に削減できるんだって!

参考:イリノイ大学シカゴ校エネルギー資源センター資料より

他にも、国際航空のCO₂削減制度「CORSIA」のことや、トウモロコシ由来バイオエタノールのCI値(炭素集約度)が年々下がっていること。それに、電気自動車の環境評価(LCA)は、発電方法(石炭火力か再エネかなど)によって大きく変わるという話など、本当に盛りだくさんでここには書ききれないくらい!

あ、そうそう!特に印象に残ったのが、ガソリンやジェット燃料にバイオエタノールを混ぜることで、発がん性のある有害物質(芳香族など)の排出を抑えられるという話。これもすごく興味深かったよ!

参考:イリノイ大学シカゴ校エネルギー資源センター資料より

デンくん:
そうだったね!バイオエタノールの活用が進むことで、僕たちの健康にも良い影響がある、というのは驚いたよ!


ワシントンDC、アメリカ穀物バイオプロダクツ協会本部へ

コニーちゃん:
最後に、ワシントンDCへ向かって、アメリカ穀物バイオプロダクツ協会のワシントン本部を訪問したよ!

デンくん:
ここでは、エタノール生産者の業界団体や、旅客や貨物を輸送する航空会社の団体から、主にSAFに関する最新情報を解説してもらったんだよね!

コニーちゃん:
そうだね。実はガソリン自体は、燃費向上や電気自動車の普及で需要が縮小傾向にあるんだって。そんな中、航空業界はアメリカの輸送部門におけるCO₂排出量の約10%を占めていて、脱炭素化が必要な分野なんだよ。だから、温室効果ガス削減効果の高いSAFが注目されているんだね。

アメリカのSAF需要目標は2050年までに年間350億ガロン(1億3,200万キロリットル)に達すると予測されていて、SAFの需要を満たすために、大量のバイオエタノールが必要になると言われているんだ。

デンくん:
年々生産量が増えているトウモロコシからSAFが作れるのであれば 、大きなジェット燃料需要を満たすための重要なカギになりそうだね!

参考:Renewable Fuels Association 資料より

コニーちゃん:
これで視察の内容は終わりだよ!実際に現地でトウモロコシやバイオエタノールの話を聞いてみて、どうだった?

デンくん:
アメリカでは、CO₂排出量の少ないエネルギーを作る取り組みが、本当に積極的に行われていることがよくわかったよ!工場での技術開発だけじゃなく、農家さんも一丸となって地球に優しい燃料を作ろうとしているんだね。

そして、そのカギを握るのがトウモロコシ!作付面積を増やさずに生産量を増やし続けているアメリカのトウモロコシは、バイオエタノールとしてエネルギーになるだけじゃなく、副産物の「DDGS」も家畜の飼料として高い価値で取引されているんだよね。

今後大きな需要が見込まれるSAF(持続可能な航空燃料)の分野でも、トウモロコシからできるバイオエタノールの存在はすごく重要になりそうだね。

コニーちゃん:
そうだね。この分野は短期間でどんどん技術や状況が進んでいくから、私たちも常に新しい情報を追いながら、みんなに発信していくことが大切だと感じたよ。本当に貴重な経験をしたね!