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もっと知りたい!デントコーン

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デントコーンの多様な使い道

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デントコーンの多様な使い道

食卓に直接のぼることはないけれど、私たちの生活に不可欠な存在、それが「デントコーン」です。私たちが味わう甘いトウモロコシ(スイートコーン)とは異なり、デントコーンはその圧倒的な生産量を背景に、見えないところで社会の基盤を力強く支えています。

デントコーンは普段、食卓にのぼることはありませんが、社会の基盤を力強く支えています。

私たちの生活を支える、多様なデントコーンの使い道

まず、デントコーンの主な使い道を、その役割と共に全体像として見てみましょう。その使い道は、大きく分けて3つの分野にわたります。

  1. 家畜の飼料
    デントコーンの重要かつ最大の用途です。デントコーンの特徴である高カロリーなデンプン質は、牛・豚・鶏といった家畜にとって、成長に欠かせないエネルギーの塊。安定した食肉・卵・乳製品の供給は、このデントコーンという土台の上に成り立っています。日本の畜産業もその多くを輸入に頼っており、私たちの食卓と密接に結びついています。
  2. 食品・日用品への加工
    デンプンや油分が豊富な特性を活かし、ありとあらゆる製品に姿を変えます。穀粒全体を製粉してトルティーヤやスナック菓子などに、デンプンはコーンスターチに、そしてさらに加工されてジュースの甘味料から、化粧品、新聞紙などの紙の加工用、環境に優しいプラスチックまで。デンプンとは別に抽出される油はコーン油として使われています。
  3. バイオエタノール生産
    デントコーンの大きな用途の一つがバイオ燃料の生産です。温室効果ガス排出削減のための石油依存を減らし、持続可能な社会を目指す中で、デントコーンから作られるバイオエタノールは重要な役割を担います。ガソリンに混合されることで、私たちの車を動かすエネルギーの一部となっています。
デントコーンの主な用途は、家畜の飼料、食品•日用品への加工、バイオエタノール生産の3つがあります。

このようにデントコーンは、私たちの暮らしを豊かで便利にするための、まさに”魔法の素材”なのです。


栄養満点、飼料として使われるデントコーン

デントコーンの全用途の中で、最も利用量として大きいのが飼料としての役割です。主にトウモロコシがその粒のまま飼料の原料として使われていますが、コーンスターチやコーンフラワー製造の際に出る油分や繊維分などを主成分とする副産物が、グルテンフィードやグルテンミールとして家畜飼料に使われます。さらに近年、その価値を飛躍的に高めているのが、バイオエタノール生産の過程で生まれる併産物「DDGS(ジスチラーズグレイン)」の活用です。これは単なる「搾りかす」ではなく、化学と工夫によって生み出された「付加価値製品」と言えます。

バイオエタノール生産の過程で生まれる併産物「DDGS(ジスチラーズグレイン)」は、化学と工夫によって生み出された「付加価値製品」です。

DDGSの特徴は以下の通りです。

栄養面

DDGSは、デントコーンからデンプンが取り出された後、タンパク質や脂質、食物繊維、ミネラルなどの栄養素が凝縮されたもの使用して製造されます。これにより、家畜の筋肉や体を作るための高タンパク質と、活動エネルギーとなる高脂質を兼ね備えた、非常にバランスの良い飼料が生まれるのです。

バイオエタノール生産に使われた残りから、非常にバランスの良い飼料(DDGS)が生まれます。

経済面

畜産経営において、飼料代はコストの大部分を占めます。DDGSはバイオエタノール生産から生まれる価値の高い産物として「副産物」ではなく「併産物」と呼ばれています。DDGSは大豆粕のような同様のタンパク質飼料原料と組み合わせて、畜産農家が利用しており、その結果、私たちは安定した価格と品質の畜産物を手に入れることができるのです。

環境面

「燃料」と「食料」を同時に生み出すこのプロセスは、資源循環の理想的なモデルです。「トウモロコシ」という穀物を燃料と食料(家畜飼料)の両方で利用する。これは、一つの作物から得られる価値を最大化しているとも言え、持続可能な社会の実現に大きく貢献しています。


こんなところにも?デントコーンの活用

飼料や燃料といった巨大産業を支える一方で、デントコーンはその加工性の高さを活かし、驚くほど多くの製品に姿を変えて私たちの暮らしに溶け込んでいます。

食品としての活用

  • 料理のとろみや麦酒のキレに
    家庭でもおなじみの片栗粉のように、「コーンスターチ」はスープやソースのとろみ付けに利用されます。また、ビールの副原料としても使われ、スッキリとしたキレのある味わいを生み出します。
  • ジュースやお菓子の甘さに
    「果糖ぶどう糖液糖」や「水あめ」といった、清涼飲料水や加工食品に欠かせない甘味料の主原料です。液体で扱いやすく、安定した甘さを持つため、現代の食品製造に不可欠な存在となっています。
  • 食卓に欠かせない油に
    クセが少なく熱に強い「コーン油」は、炒め物や揚げ物に最適な食用油です。
  • 洋酒の原料にも
    さらに、洋酒の原料にも利用されます。トウモロコシを原料にして作ったウイスキーは「グレインウイスキー」と呼ばれます。また、アメリカを代表するお酒「バーボン・ウイスキー」は、原料の51%以上がトウモロコシ(主にデントコーン)であることが法律で定められています。

暮らしを支える“工業製品”に

  • 段ボールを強くする接着剤
    私たちが日常的に利用する段ボール。その波状の紙と平らな紙を貼り合わせている強力な糊の主成分は、実はコーンスターチです。安価で安全、そして強力な天然の接着剤として、物流を支えています。
  • 土に還るエコなプラスチック
    近年、プラスチックごみ問題の解決策として注目される生分解性プラスチック「PLA(ポリ乳酸)」。このPLAも、デントコーンのデンプンを発酵させて作られます。食品トレーやレジ袋、衣類の繊維などになり、使用後は微生物によって分解され土に還るため、環境負荷を大幅に低減します。

毎日使う“日用品”の中に

  • 化粧品のサラサラ感の秘密
    フェイスパウダーやファンデーション、日焼け止めなどに「コーンスターチ」が配合され、余分な皮脂や水分を吸収し、肌をサラサラに保つ効果を発揮します。あの心地よい使用感の裏に、デントコーンが隠れているかもしれません。
デントコーンは食品や工業製品や日用品など、意外なところで活用されています。工業製品であれば土に還るエコなプラスチックや、日用品であればファンデーション、日焼け止めなどに使われています。

このように、デントコーンは単なる農作物ではなく、食料、エネルギー、環境、そして私たちの便利な暮らしを多方面から支える、まさに現代社会の「基幹素材」と言えるでしょう。

デントコーンは単なる農作物ではなく、現代社会の「基幹素材」であると言えます。