日本で唯一、E3ガソリン、E7ガソリンを販売されている中川物産様。前編では、会社の歴史や特徴、どのような経緯でE3ガソリン、E7ガソリンを取り扱うことになったのかなどをお聞きしました。
今回は実際にガソリンスタンドでE3ガソリン、E7ガソリンを給油されているお客様の反応や安全性などについて、お聞きしていきます。
― 国内で唯一、バイオエタノール直接混合ガソリンの販売を展開される中川物産様ですが、なぜ他の企業はバイオエタノール直接混合ガソリンの販売を取り扱わないのでしょうか?
他の石油精製会社さんはバイオエタノールを直接混合する方式ではなく、バイオエタノールを原料として一旦ETBEという化合物を製造し、ガソリンに混合する方法、いわゆるETBE方式を採用しています。ETBE方式の利点もあるのですが、バイオエタノールを高濃度で混合できないという課題があります。

― SNSで中川物産様のE7ガソリンを給油されたユーザーの投稿を見かけます。実際、バイオエタノール直接混合ガソリンを利用されているお客様の反応はいかがでしょうか?
原油価格の高止まりや長引く円安の影響から、ガソリン小売価格は過去に比べると高値で推移しています。 E7ガソリンは、まだ購入いただける店舗が少ないものの、様々なメディアで取り上げていただき、消費者の皆様には「環境に優しく価格もリーズナブル」と認識いただけているようで、順調に出荷数量は増加しています。
実際にご利用いただいた方々のご意見でも、品質や使用における否定的な意見はこれまでなく、特に価格面の魅力を感じている印象です。また対応していない車両をご利用の方々からは、使用できないことが残念ですとお聞きしています。
一方で、当社の情報発信の少なさからか誤認識をされているユーザー様も多々見受けられます。
例えば、先日は「E7ガソリンはオクタン価が下がる」と言うコメントがありましたが、実は全く逆で、バイオエタノールはオクタン価が上昇し自動車に良い性能影響をもたらします。こうした事例を受けて、これからはさらなる情報発信に努めていきたいと考えています。

― もっと知りたい!バイオエタノールでは、バイオエタノール直接混合ガソリンを入れると、クルマが故障するのでは、と心配される声を時折いただきます。実際、問題なく利用されているのでしょうか?
バイオエタノールを直接混合したガソリンは、現在世界中で幅広く販売されています。混合率も各国それぞれE15やE100など様々な濃度で、ガソリンエンジンの燃料として、ごく普通に給油、利用されています。
日本の自動車メーカーはE3まではどの車種でも給油できるようになっていますので安心して給油していただければと思います。
またE3からE10までは「E10対応車」として販売しているため、該当する車種においては安心して給油いただければと思います。

― E3ガソリン,E7ガソリンを給油する際、利用者が気をつけること、ガソリンスタンドが気をつけていることはありますか?
まず先ほど申し上げました通り、E7ガソリンの場合はご自身の車がE7を給油できるかどうか確認をしてください。確認方法は簡単です。具体的には燃料給油蓋の裏側に「バイオガソリン(E10/ETBE22)対応車」とステッカーが貼ってあるかを確認していただき、このE10という記載があれば、ご自身の車はエタノール10%まで混合したガソリンが利用できます
またスタンドを運営する側でも、特に当社のE7ガソリン取り扱い店舗は近年主流のセルフ式スタンドですので、非対応車へ誤った給油が起きないよう、E10ガソリン対応車のみ利用可能という大きな案内表示に加えて、E7専用レーンを設けたり、計量器側でも「E10対応車」でしょうかという確認画面が表示され、確認いただいた後に給油が可能となるようなシステム変更を行っています。

ガソリンスタンドでE3ガソリン、E7ガソリンを利用したお客様の反応や、誤給油防止の対策など、実際にバイオエタノール混合ガソリンを利用するイメージがとてもできました。
まずは自分のクルマでもE3ガソリン、E7ガソリンを使えるかチェックし、給油してみたいですね。
次回はE3ガソリン、E7ガソリン普及のために取り組んでいることや、中川物産様の今後の展望をお聞きします。
後編もお楽しみに!


