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もっと知りたい!デントコーン

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デントコーンの生産状況

生産から輸出までの道のり

私たちの食卓や暮らしに欠かせないトウモロコシ。その中でも「デントコーン」は、家畜の飼料やバイオエタノールの主原料として、世界の食料供給と産業を根底から支える、まさに“縁の下の力持ち”です。

では、デントコーンはどのように生産されているのでしょうか。世界最大の生産国アメリカを舞台に、デントコーンがどのように作られ、私たちの元へ届けられるのか、その生産と流通の裏側を見ていきましょう。


「コーンベルト」で生産されるデントコーン

デントコーン生産の中心地は、アメリカ中西部に広がる世界的な穀倉地帯、通称「コーンベルト」です。見渡す限りの畑が広がるこの地域は、デントコーン生産の中心地です。

特に、アイオワ州、イリノイ州、ネブラスカ州、そしてミネソタ州の4州は中核を担っており、これら4州だけでアメリカが生産するトウモロコシの約50%を産出しています。肥沃な土壌と栽培に適した気候が、世界屈指の生産量を支えているのです。

コーンベルトでのデントコーン栽培は、季節の移り変わりに合わせて計画的に行われます。

春(4月中旬~5月下旬):種まき

広大な畑にトラクターが入り、一斉に種まきが始まります。この時期の天候が、その年の収穫量を左右する重要な要素となります。

夏(6月中旬~9月下旬):生育期

夏の日差しをたっぷりと浴びて、デントコーンはぐんぐん成長します。
以下は6月初めのアメリカのトウモロコシ農場の様子です。広大な敷地でデントコーンがすくすく育っていることがわかります。

以下は夏の生育期の畑と晩夏のデントコーンです。

秋(10月~11月):収穫期

実ったデントコーンが成熟し、収穫の時期を迎えます。大型のコンバインハーベスターが畑を進み、収穫作業が行われます。

デントコーンは以下のように粒として収穫されます。


収穫から国内への供給、そして世界へ

収穫されたデントコーンは、消費者の元に届くまで、効率的に管理された巨大な流通システムを経て長い旅をします。

ステップ1:集荷と保管

収穫されたばかりのデントコーンは、まず各地域にある「カントリーエレベーター」と呼ばれる大規模な集荷・保管施設(サイロ)に集められます。ここで品質を保ちながら、次の出荷先を待ちます。農家の近くに家畜生産者、加工工場やエタノール工場がある場合には、エレベーターを経由しないで、直接出荷されることもあります。

ステップ2:国内消費と輸出への分岐

カントリーエレベーターに集められたデントコーンは、ここから国内向けと輸出向けに仕分けられます。
国内向け:
アメリカ国内のエンドユーザー、具体的にはエタノール工場、飼料業者、食品製造業者、家畜飼養業者などへトラックや鉄道で輸送されます。
輸出向け:
港湾地域やミシシッピ川などの河川沿いにある、より大規模な「リバーエレベーター」や「輸出エレベーター」へと運ばれます。

ステップ3:世界のエンドユーザーへ

最終的に、輸出エレベーターまで運ばれたデントコーンは、世界のバイヤーによって買い付けられ、巨大な貨物船に積み込まれます。こうして世界中の国々へ届けられ、各国のエンドユーザーの元で様々な製品へと姿を変えるのです。


デントコーンの生産量と用途内訳

アメリカのデントコーン生産量は世界一です。2024年のデータによると、その生産量は3億9,000万トンにも上りました。ちなみに、日本のコメの年間生産量は約700万トン台です。この数字と比べると、アメリカのデントコーン生産量がいかに多いかがわかります。これほど大量のトウモロコシは何に使われているのでしょうか。
その主な内訳は以下の通りです。

飼料その他: 38%

燃料用エタノール利用: 36%

食品・燃料用以外アルコール・産業利用: 17%

輸出: 10%

このデータから、生産されるデントコーンの約7割以上が、家畜の飼料と自動車燃料などに使われるバイオエタノールの原料として利用されていることが分かります。私たちの生活を支える食肉やエネルギーの供給に、デントコーンが深く関わっているのです。


増加するトウモロコシ生産量と抑制されている作付面積

世界のトウモロコシ生産量は右肩上がりに増加しており、特にアメリカでは、1960年に約9,900万トンだった生産量が、2024年には約3億9,000万トンと、およそ4倍にまで増加しました。

そして重要なのは、この生産量の飛躍的な増加が、必ずしも作付面積の大幅な拡大によるものではないという点です。同じ期間に、アメリカのトウモロコシ収穫面積は約2,800万ヘクタールから約3,500万ヘクタールへと、約1.3倍の増加に留まっています。

では、なぜ生産量だけがこれほど劇的に増えたのでしょうか。

その答えは、「単収」、つまり1ヘクタールあたりの収穫量の向上にあります。品種改良や栽培技術、肥料、農薬の進歩により、世界のトウモロコシの平均単収は、1960年の約3.5 MT/HAから2022年には10.98 MT/HAへと約3倍に向上しました。より少ない土地で、より多くのトウモロコシを生産できるようになったのです。

デントコーンは、アメリカの広大な「コーンベルト」で生み出され、高度にシステム化された流通網を通じて、国内、そして世界中へと届けられています。その用途は飼料やバイオエタノールが中心であり、私たちの食生活とエネルギー供給に欠かせない作物です。
作付面積の増加を抑えつつも、技術革新によって生産量を飛躍的に伸ばしてきたのが、アメリカのトウモロコシ生産の歴史なのです。

次の記事では、デントコーンとバイオエタノールの関係を見ていきしょう。