アメリカ穀物協会では、米国産の大麦、トウモロコシ、
グレイン・ソルガム、及びその関連製品を取り扱っています。
以前からウイスキーや焼酎などの蒸留粕は牛用の飼料として使われていましたが、トウモロコシをハンマーミルなどで乾式製粉してから糖化/発酵/蒸留などの工程に入る方法で生産される燃料エタノール製造の副産物DDGSは、日本では比較的新しい飼料原料と見られています。トウモロコシ蒸留粕と呼ばれることもあります。
エタノールはアルコールであり、トウモロコシに含まれる澱粉が糖化・発酵・蒸留されて出来るものです。従ってトウモロコシに含まれる諸成分のうち、澱粉以外の栄養、つまり脂肪、蛋白質、繊維、ミネラル、ビタミンなどは DDGSに濃縮されて残ります。一般的に、トウモロコシ 1ブッシェル(約 25.4kg)からエタノールが約 2.8 ガロン(約 11 リットル)、DDGS が 18 ポンド(約8.2kg)、そして二酸化炭素が18ポンド(約8.2kg)発生します。
現在、主に米国の供給元やサプライヤーと呼ばれる穀物輸出業者、日本の商社などを通して複数のエタノール製造プラントからのDDGSがまとめられて購入・輸入されています。品質の安定を重視して決まった大規模プラントと契約して購入するケースもあるようです。
まだ輸入量が少なかった頃は米国からコンテナで運ばれてくることがほとんどでしたが、2006 年頃から徐々にバルク輸送が使われるようになり、輸送コストを少しでも抑えるための努力から2013 年時点では8 割がバルク輸送で残り2 割がコンテナで輸入されています。
アメリカ穀物協会(USGC)では、2001 年頃からDDGS に関する情報を日本の市場向けに紹介してきました。2003 年にはアメリカ穀物協会から農水省に飼料原料価値の認定申請をし、2004 年に公定規格に基づく栄養価数値が定まって新しい配合飼料原料として認可されました。2005 年頃からは日本でも北海道での乳牛用飼料原料として本格的に使われだし、現在では全国で乳牛はもちろん産卵鶏、豚、ブロイラー、肉牛などにも使われています。とりわけ産卵鶏用配合飼料での利用が2008 年頃から増え、2013年時点、日本で使われるDDGS の半分以上が産卵鶏用飼料に配合されています。もともとイェローデントコーンに含まれる黄色い色素であるキサントフィルがDDGS には濃縮されて含まれているため、
日本人が好む黄身の色が濃い卵を生産するのに効果があり、その分マリーゴールドやパプリカ(ペッパー)などの顔料添加物の配合が抑えられる、というのが産卵鶏用に利用が増えている理由の一つです。