「エタノール・プロデューサー・マガジン」に掲載された『2022年、低炭素の未来はすでにここに』の原文の英語版と参考和訳を掲載いたします。
(参考和訳)
エタノールは、安価で現在すぐに入手可能な、既存の自動車に適合する気候変動対策といえます。バイオ燃料の混合率を高めることは、米国にとって、今すぐ輸送部門の脱炭素化に着手するための最も現実的な方法なのです。
世界的な新型コロナ感染症のパンデミックによって、人々は不確実で不自由な生活を約2年にわたって過ごしてきました。今、人々は制約が少ないパンデミック後の世界を見据えようとしています。その一つが交通利用機会の増加です。それは、バイオ燃料業界にとっては、二酸化炭素の排出を大幅に削減し、2050年までの米国の目標であるネット・ゼロの未来に向けて前進できる、より安価な燃料への需要の復活を意味しています。
2022年は、新たな出発の機会になります。バイオ燃料がエネルギーミックス政策の優先課題になることを意味しています。なぜなら、バイオ燃料は、今すぐに利用可能な低炭素への有効な解決手段だからです。低炭素の解決策を模索する時代は終わったのです。低炭素の未来は、すでにここにあるのです。
運輸部門の脱炭素化を目指すために、米国はバイオ燃料を必要としています。米国政府のエネルギー情報局によれば、電気自動車の普及を考慮しても、今後数十年間は、道路を走る自動車の大半が液体燃料で走行することになるとのことです。低炭素な燃料であるエタノールの混合率を高めることは、再生可能エネルギー100%の未来への移行の加速のための、現在の自動車に直ちに利用可能な手段なのです。
E15(エタノールを15%混合したガソリン)のようなエタノール高配合燃料に全国的に移行することによって、米国の二酸化炭素排出量を1,762万トン以上削減することができ、これは毎年385万台の自動車を道路から排除することに相当します。ガソリンスタンドで販売している現行のE10のエタノールの混合割合を5%増やすことだけで、私たちは低炭素な未来への移行を推進し、気候変動を防ぎ人々の健康を守ることができるのです。
これらのことを念頭に置きながら、私たちグロース・エナジーは、気候変動への対応を重視するバイデン政権が推進する、ゼロ・カーボンの機運を高めていきたいと考えています。米国政府が本気で炭素排出を減らすための変化を起こそうとするのならば、バイオ燃料に本腰を入れる必要があるのです。
その点で私たちエタノール産業は喫緊の政策課題に直面しています。何よりもまず、再生可能燃料基準(RFS)が意図した通りに運営され、低炭素の再生可能燃料の混合要件(150億ガロン)が確実に維持されるように政府に働きかけます。2022年以降も強固なRFSが維持されることが、低炭素社会に移行するためのバイオ燃料生産を、農業生産者やバイオ燃料生産者が行っていくために必要なのです。
炭素排出量をさらに削減するために、税制優遇措置、クリーン燃料生産クレジット、公平な持続可能航空燃料(SAF)優遇措置など、炭素排出削減を高めるとともに新たな市場に進出するための政策的シグナルが求められています。また、農業のサプライチェーン全体の環境保全へのインセンティブが必要とされています。このようなインセンティブを通じて、低炭素な農業手法の導入をバイオ燃料生産の価値として認めることによって、プレミアム価格という形で農業生産者が利益を得ることができるでしょう。
さらにグロース・エナジーは、より安価で地球に優しい燃料への消費者のアクセスを拡大するために、必要なインフラへの投資を支援し、E15などのバイオ燃料の高配合に向けた全国的な動きを加速させていきます。同時に、消費者がE15を常に入手できるように、迅速な政策対応が必要です。
新しい2022年を迎えるにあたり、バイオ燃料が、自動車ユーザーにとって、安価ですぐに入手可能な既存の自動車に適合する最適な気候変動対策であるというメッセージを、明確に伝えたいと考えています。バイデン政権が運輸セクターを脱炭素化するためには、より高い混合率のバイオ燃料の力を借りなければなりません。バイオ燃料の比率を高めることによって、排出量を削減し、低炭素の未来への移行を促進すると同時にクリーンエネルギー関連の雇用創出を勧められるのです。
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