「エタノール・プロデューサー・マガジン」に掲載された『世界的なバイオエタノール利用の政策展開と貿易拡大こそ、アメリカ穀物協会の最優先目標』の原文の英語版と参考和訳を掲載いたします。
(参考和訳)
アメリカ穀物協会は、エタノールの利用拡大がもたらす利益を世界各国で共有することをその活動の優先目標としている。今後数年の間に各国の国内レベル、多国間レベルでより多くの賛同と支持を得ることが重要である。
ブライアン・ヒーリー(アメリカ穀物協会)|2022年1月25日
今年はエタノール需要が、新型コロナウィルス感染症拡大による低迷から2019年の水準に戻るため、エタノール貿易が世界的に成長期を迎える。感染拡大前のレベルを超えて成長するためには、主にインド、日本、ブラジル、カナダなどの主要市場におけるエタノール政策の展開による世界需要の拡大に依存することになる。国際エネルギー機関(IEA)も2021年12月の報告書で、”政策の議論は・・・今後5年間のバイオ燃料の見通しに大きな影響を与えるだろう “としている。
アメリカ穀物協会は、これらの国々がバイオ燃料導入政策を最大限に実施すること、輸送部門のネットゼロ排出目標を達成する上でエタノールが果たす役割を認識すること、各国の関連産業および政府機関と戦略的パートナーシップを構築すること、そしてエタノールの貿易を通じた世界的供給を確保することを目的として、世界各地20か国の海外事務所やコンサルタントがエタノール産業の目となり耳となり、最前線で活動している。
米国は世界のエタノール貿易のリーダーであり続け、各国による輸入需要の60%近くを供給している。米国経済にとって、これは1万6,000人以上の雇用につながる。現在、米国は生産量の約10パーセントを輸出しているが、今後海外の政策が進めば、さらに増加する可能性がある。2022年のエタノール産業の目標はこれまでと変わらず。世界の貿易を通じた世界的なエタノール導入政策の拡大と施行を継続して図ることにある。
エタノールの利用拡大がもたらす恩恵を各国に伝えることが、アメリカ穀物協会の活動の優先事項である。その活動の中心となるテーマが、産学官によるライフサイクル解析(LCA)と、エタノールの利用拡大による温室効果ガス(GHG)削減である。私たちの現場での取り組みを通じて、各国のパリ協定の公約への対応や排出量削減のための独自の対策への、エタノールの現在および長期的な役割の情報共有を図り、各国内や多国間レベルでの、より広い理解と支持を得ることが重要である。
今年は世界のエタノール政策の拡大に明るい兆しが見える年になりそうである。アメリカ穀物協会が9番目の事務所を最近開設したインドが10%の混合率達成を目指し、日本が2009年に設定したエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)の上限を最大で現在の2倍に引き上げる可能性の検討を始め、ブラジルがレノババイオの3年目を進行、カナダが数年にわたるクリーン燃料基準(CFS)プロセスを経て2022年末までに最終規則を発表、コロンビアが2021年に中断した10%混合率への回帰が期待されている。全世界の産業界の成長は、継続的な協力と連携に依存しており、アメリカ穀物協会はそれを支援していく。
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(英語版)
Policy-Development-Remains-Top-Priority-for-USGC-In-Expanding.pdf(参考和訳)
世界のバイオエタノール利用と貿易を拡大するために.pdf