「エタノール・プロデューサー・マガジン2022年3月号」より『2022年の成長への再挑戦』

「エタノール・プロデューサー・マガジン」に掲載された『2022年の成長への再挑戦』の原文の英語版と参考和訳を掲載いたします。

(参考和訳)

『2022年の成長への再挑戦』

Growth Energy¹ の第13回年次会議では、何百人もの業界関係者が、パンデミックを乗り越えただけでなく、低炭素の未来に必要な投資を継続するエタノール生産者とネットワークを作りました。

エミリー・スコー|2022年2月16日

春も近づき、私たちはバイオ燃料産業の未来と、その気候変動目標の達成に果たす役割への思いを新たにしています。まさにその機会が、2月に開催されたGrowth Energyの第13回年次会議(ELC)でした。ELCには31州から300人以上の業界関係者、会員企業が参加しました。今年はバーチャルで会議が開催されましたが、多くの業界リーダーが一堂に会し、新たな道を切り開き、今後の課題に取り組む姿を目の当たりにすることができました。

出席者は、二酸化炭素排出量を削減し、ネット・ゼロの未来への移行を加速させるために米国が持っている手段、特にバイオ燃料の重要性について議論しました。バイデン新政権があらゆる政策決定において炭素排出を物差しにする中、政策立案者と再び対話し、バイオ燃料への投資が私たちの産業、経済、輸送部門、そして地球を再構築する可能性を秘めていることを示すことができるユニークな立場に、私たちはあるのです。

また、ELCでは、炭素強度を下げるための方策、持続可能な航空燃料² の価値提案の検証、低炭素の未来への資金調達といったテーマで、米国のトップクラスの専門家を招いてパネルディスカッションを行い、この業界の高い多様性を紹介しました。持続可能な農業を拡大するトウモロコシ生産者から、炭素回収に投資したバイオリファイナリーまで、Growth Energyはあらゆる専門知識を活用し、地上と空、国内と海外、そして今日の車と明日の車にクリーンエネルギーの新しい波を提供しています。

すなわち、再生可能燃料基準(RFS)³ を確実に実施し、気候変動に関する目標を達成するための低コストな手段としてのバイオ燃料の意義を認めることによって、世界の低炭素化競争に勝つ新しい市場を広げるのです。

インフラから貿易に至るまで、政策立案者がバイオ燃料を気候変動対策として認識し、低炭素で、現在入手可能で、すべての自動車ユーザーにとって手頃な価格であることを確認することにも重点を置いています。Growth Energyが委託した調査によると、現在走っている車の96%に適合するE15のような高配合バイオ燃料に全国的に移行すれば、消費者の燃料コストを年間120億ドル以上削減することができ、同時に炭素排出を年間1700万トン以上削減することができます。これは道路から約400万台の車を排除することに相当します。

バイオ燃料の活用なくして、気候変動に関する目標を達成することはできないというのが気候変動の専門家の一致した意見です。このメッセージは、Growth Energyのメンバーが国内外で共有しているもので、私たちはカナダと英国で市場を拡大し続けています。2022年には、少しずつでも前進していくことでしょう。重要な貿易上の決定は、前政権が好んだ派手な記者会見やカメラやファンファーレではなく、役員室のテーブルの上で行われます。幸いなことに、Growth Energyのチームはそのテーブルに席を確保し、重要な貿易協議に参加し、バイオ燃料がすべての会話の最前線にあることを確認しています。

最終的には、世界、国、州のすべてのレベルの指導者たちに、バイオ燃料が輸送部門の脱炭素化と気候保護に不可欠であることを示すことが、私たちの責任です。今年のELCで見られたように、この業界は素晴らしい物語を持っています。私たちの生産者は、パンデミックを乗り越えただけでなく、低炭素の未来を築くために必要な投資を続けています。そしてGrowth Energyは、政策立案者が私たちの優先事項のすべてにおいて、そのビジョンを共有してもらうことによって、2022年にエタノール産業の発展に尽力しています。


1)グロース・エナジー(Growth Energy):米国の二つのエタノール産業の業界団体の一つ。100以上のエタノール生産企業を会員とする。(https://growthenergy.org/)
2)持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel, SAF)は、バイオ燃料や使用済みの調理油などの再生可能なエネルギー源から生産されるジェット燃料で、化石燃料に代わる持続可能な燃料。
3)再生可能燃料基準(RFS)は、2006年に大気浄化法に基づいて米国環境保護庁(EPA)が導入し、2007年エネルギー独立安全保障法(EISA2007)により長期的な目標値が設定された輸送用燃料におけるバイオ燃料の最低使用義務量。EPAにより魏雨量は毎年定められている。

 

*****

「エタノール・プロデューサー・マガジン」掲載ページはこちらをクリックすると開きます。

以下から英語版と参考和訳をPDFデータにてダウンロードできます。

(英語版)

Reigniting-Growth-in-2022_E.pdf

(参考和訳)

2022年の成長への再挑戦
一つ前のページへ戻る