「エタノール・プロデューサー・マガジン2022年5月号」より『温室効果ガス排出削減へのさらなる前進』

「エタノール・プロデューサー・マガジン」に掲載された『温室効果ガス排出削減へのさらなる前進』の原文の英語版と参考和訳を掲載いたします。

(参考和訳)

『温室効果ガス排出削減へのさらなる前進』

トム・ブライアン著|2022年4月20日

バイオガス利用、太陽光発電と風力発電の継続的な採用、DDGS乾燥機の排気からのエネルギー回収、高タンパク質ジスチラーズグレインといった新しい技術が実現している。
バイオガスの利用、乾燥機の排気のエネルギー回収、施設内での太陽光発電と風力発電の利用は、直接的に化石燃料の使用を減らし、より低い温室効果ガス排出、すなわちより低い炭素強度(CI)スコアを達成するためにエタノール工場が行っている投資である。またさらに、ICM社の高タンパク質ジスチラーズグレインの生産システムの話も、この低CIというテーマの一つとなっている。

カルグレンリニューアブルフューエルズ(Calgren Renewable Fuels)社は、カリフォルニアでバイオガスの利用に成功した。カルグレン社は、バイオリファイニングにおける熱と電力の供給用に、バイオガス利用を広く取り入れ、エタノール、バイオディーゼルと再生可能天然ガス(RNG)を製造している特殊なバイオリファイナリーについて紹介し、さらにRNGの利用量は、「さらに増え続けている」とカルグレン社は語った。

エタノール産業での風力発電の利用については、たとえば、カンザス州オークリーのウエスタンプレーンズエナジー社(Western Plains Energy)が風力タービンを最近設置し、カリフォルニア州キーズのアエメティス社(Aemetis)が再生可能エネルギープロジェクトを行っている。バイオガスやコジェネレーション(熱電併給)と同様に、風力や太陽光にもエタノール生産者が関心を寄せ続けている。数年前、WPE社は風力発電のみに特化した別会社を設立し、株主や他の投資家が参加できるようにした。昨年末には、2.7メガワットのタービンが稼働を開始した。アエメティス社は風力発電に限らず、太陽光、バイオガス、水力発電など、ほぼすべての再生可能エネルギーに取り組んでいる。バイオリファイニングによる化石燃料の削減・廃止を目指す業界において、2千キロメートル離れた2つの工場が最先端を走っているのは、非常に興味深いことである。

バイオリープ(Bioleap)社では、エタノール生産者がDDGS乾燥機の排気から廃熱を回収して利用できる既存の技術を利用している。すでにCIスコアの低減が証明されているこの乾燥機排気エネルギー回収(DEER)システムは、エタノール工場のエネルギー使用量を20%以上削減し、水の使用量も減らすことができる。DEERシステムは、すでに導入した生産者から強い支持を得ており、また今後導入する生産者からも強い関心を持たれている。

間接的にエタノール生産でのCIスコアを低減する技術としては、ICM社の高タンパク質ジスチラーズグレインの生産システムがある、アドバンスト・プロセッシング・パッケージ(APP)がある。この技術は、カスタマイズされた特殊機器が多数含み高タンパク質ジスチラーズグレインを生産することによって、「収益を多様化しながらカーボンスコアを下げる」ことが可能となった。

 

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(参考和訳)

温室効果ガス排出削減へのさらなる前進.pdf
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